(堀江理事投稿)
LONWORKSネットワークに対応した製品を実現するためには2つの選択肢がある。
- 汎用プロセッサ上でLontalkプロトコル(ISO/IEC14908)を実行(例:「LONスタック」開発キットを利用)
- Lontalkプロトコルを内蔵した専用通信プロセッサを利用
後者にて、ビルオートメーションで多く採用されているものとして、FT3120スマートトランシーバ、FT3150スマートトランシーバ、FT5000スマートトランシーバがあり、現在はルネサス エレクトロニクス社の製品です。
このうち、FT3120、FT3150の販売終了予告を同社が2023年末に発表しました。
また、FT3120/3150は通信トランスFT-X1、FT-X2のどちらか1つが必要でした。これらも同社が2022年中頃に販売終了予告を発表しました。
・2023年末に販売終了予告を告知
販売終了製品:FT3120スマートランシーバ、FT3150スマートトランシーバ
代替製品 :FT5000スマートランシーバ、FT6050スマートトランシーバ
・2022年中頃に販売終了予告を告知
販売終了製品:FT-X1、FT-X2
代替製品 :FT-X3
しかし、これはLONWORKSの終了を意味しません。
機器メーカは、上の販売終了した部品を代替品へ置換えることが可能です。
これにより、今後とも既存のLONWORKSネットワークを導入したビルオートメーション設備の更新が可能になります。
機器メーカが行うこと:
・ソフトウエアの再コンパイル:最新開発ツールIzoT NodeBuilder(無料)を使う
・基板設計変更:電源電圧(5Vから3.3Vへ)、端子位置・形状、通信プロセッサに接続する不揮発メモリ
<<<出典>>>
FT3120/3150の販売終了通知
https://www.renesas.com/us/en/document/pcn/pcn074-eol-ft3150-ft3120-transceivers-and-tpxf-products
FT-X1/X2の販売終了通知
FT-X1/X2からFT-X3への設計変更ガイド
FT6050スマートトランシーバ製品情報
IzoT NodeBuilder ソフトウエアダウンロード
https://enoceanwiki.atlassian.net/wiki/spaces/LON/pages/2426622/IzoT+NodeBuilder
(本ソフトは無料で利用できますが、PCにEnOcean社製品のIzoT CT(Commissioning Tool)がインストールされている必要があります)
EnOcean社 IzoT CT製品情報
https://www.enocean.com/en/product/izot-commissioning-tool/
LONスタックとは
汎用プロセッサ上でLontalkプロトコルを実装するソフトウエア開発キット/ソースコード。開発ライセンス・量産ライセンスとも無料。技術サポートは有料(現在はEnOcean社が提供)。物理層トランシーバはイーサネット(LAN)が多いが限定しない。LANの場合、LONWORKSルータ(例:SmartServer IoT、EnOcean社製品)を経由することで、FT3120/3150/5000/6050等との間で通信(ネットワーク変数のバインドなど)ができる。
2015年頃リリースのIzoT デバイス スタック(Linux上で動作)とは別の製品です。
LONスタック・ ソフトウエアダウンロード
https://enoceanwiki.atlassian.net/wiki/spaces/IEC/overview
一般機器用の「LON Stack DX」と、高機能機器用の「LON Stack EX」の2種がある
無料で利用できます。
LonMark International のLONスタックについての記事
図1. 通信プロセッサと通信トランス
図2. IzoT NodeBuilder
図3. IzoT CT
以上